翻訳されたものということもあってか表現が分かりづらいこともあり、
途中何度も読み返す必要がありました。
私自身も活字の習慣がなくなってしまったこともあると思いますが。
私の尊敬するアーティストの方がお薦めしていたので何年か前から読みたいと思っていたし、著者がブラジル人ということで興味が惹かれました。
とにかくもし原文で理解できたのなら、どれほどもっとこの物語を理解して想像することができたのだろうかと何度も思いました。
それほどまでに頭を想像することに集中し、色んな情景を思い浮かべ、頭を久々にフル回転させながら読み進めました。
そして著者の人柄と彼の経験してきたことの偉大さを羨ましくも感じ、本当に素敵な方の物語を手に取ることができたことに喜びを感じました。
覚えておきたい文章が山のようにありました。
覚えておくことはできないけどまたどこかで会える文章たちなんだろうという気がしています。
「幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ」
こういう表現は初めて聞いたので最初は理解できなかったけど、考えを深めるうちにすごいことを表現している文章なのだとじわじわ感じました。
「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい」
「夢を追求している時は、心は決して傷つかない」
「おまえが自分の内にすばらしい宝物を持っていて、そのことを他の人に話したとしても、めったに信じてもらえないものなのだよ」
そして、いつかまた旅をしたいとも心動かされた旅物語でした。
共感したものもあれば、自分以外にも同じことを考えている人がいると知れてなんだか安心した文章もあり、もっと歳を重ねたら分かることができるのだろうかという文章もありました。
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