2014年9月29日月曜日

Breaking Badの教訓

以前に見たBreaking Badについて

麻薬製造のドラッグカルテルに堕ちていく化学教師

類を見ないコンセプトと下着姿で製造する姿に当初興味深くが沸くものの

次第にその世界の地位を得ることで豹変していく姿が見るに耐え兼ねていくようになった

なんでこんなドラマが人気なのか どこを見て面白いと言えるのか分からなかった

それでも見始めたら最後まで見ないと気がすまないので
Walter Whiteの悪人ぶりを半ば否定的に見ていた

見終わって一気にその意味がわかった

Bryan Cranstonの演技は本当に素晴らしかったんだ

もしそうであれば有り得るだろうと思えるセリフやストーリーも重なり

一話からの彼からは想像しえない 悪人に成り下がるまでの落ちっぷり

その微妙に変化していく主人公に私はずっと騙されていた

一話を見返したときの主人公の姿にあれほど驚かされたことはないだろな

そして彼自身のプライベートの姿を見たときの 彼が持つ優しさに溢れた姿にも本当に驚かされた

最近感じるのはアメリカにはこういった素晴らしい演技力を持つ俳優に溢れていること

多くの外人が言うように 日本人の演技はギャクなのかと思えるほどレベルが低いこと
というか日本人は演技をすることのないコミュニティなのでそれは仕方のないことだとも思っていますが




そしてラストを見終わってから 本当に学べることが多い

自分にしかない才能を持ち 誰かに認めてもらいたかった彼は悪という選択を受け入れた
一方で家族愛に溢れた日常の暮らしを捨てきれず

あからさまな嘘を続けながらも自分自身をそこに繋ぎ止めようとする矛盾さ

どちらも納得のするもので まさにそれこそが誰もが共感するテーマなんだ

自分自身でさえも今一番苦しめられていることをこのドラマは表現していた

言うなればMr.Whiteのように変化することは誰にでも有り得ることで
その差はいつでも紙一重であるということ

確かに以前の家族愛に恵まれた平凡な高校教師の彼は全く幸せそうではなかったし
それは現代人が最も苦しめられているテーマだ

私の知る限りの幸せな人々は自分が愛する人が近くで支えてくれて
自分だけの強みを活かせている人々だ

やっぱり本当の幸せの要素には家族愛だけでは意味がない

動物とは違い 子孫繁栄の為だけに生まれてきた生き物ではない故
それは人間としての一生の課題だ


私たちは戦争を放棄することで大事な人を守る力も必要なくなった
次に得るべき力は自分自身の為のものだ


そしてそこには必ず孤独が強いられる















On the final day of filming for Season 5,
Bryan Cranston got a Breaking Bad tattoo on the inside of his finger.


2014年9月14日日曜日

もみじ市

念願のもみじ市(クラフト市)へ

全国から集まった様々なジャンルの作家さんたちが作品を販売

駒ヶ岳の麓は日差しが強いものの
外で買い物できる気持ちよさはすごく心地が良かった

東京のデザフェスは見きれないし混みまくってるし全然違うものなんだと思った

作家さんたちが丁寧に説明してくれたり
ハンドメイド感溢れる作品は見ていて飽きないなー

さくらの木で作られた器
使い込むうちに色が変化して味が出てくるなんて素敵すぎる

出店数が減っているようだけど
もっと出店者も買い物客も地方のイベントに出向けたらいいのだけど
きっと簡単なことほど難しいんだろうな



この日もたくさん食べたー

朝から中々味わえることのできないすだちケーキ
本当に絶品で何より作ってもらえたことが嬉しかった



お昼は細麺のお蕎麦と五平餅

長野は郷土料理多いけど全部美味しくて
本当に魅力敵な場所だと感じた











一人じゃきっとつまらない旅になっていたと思います
一人旅って初めてだったけど
誰かと一緒にいられるのはやはり楽しみが倍増します

自分一人の為にここまでして頂いて感謝してもしきれないです

しかも子守の大変さも知らず、歩き回させてしまって本当に申し訳なかったです
本当に色々甘えてしまいすみませんでした

でも今回の旅は今後の自分に大きなきっかけを作ってくれると思っています

今度は自分が何かきっかけを与える存在になりたいと思います



土屋一家本当にありがとうございました

浮世絵博物館

車で連れて行ってもらった浮世絵博物館は予想外に面白かった

上野で今葛飾北斎の浮世絵名品展をやっていて
多分人が溢れかえるようなほどだと思うけど
ここでは他の人を気にすることなくじっくりと作品を鑑賞することができた

東京であまり美術館に行きたいと思えないのは
やっぱり心が疲れるからだと思った
本当にここでなら1日中でも見ていられるや

すいかの種が黒豆ほど大きかったり
深爪に対するコメントとか 筋肉の異様なつき方とか
いくらでも細かく見ることができる


私は今の日本を見てこの世界を描きたいとは思えないけど
情緒溢れる人々の生活を描き続ける背景は
どんな毎日であったのかと想像すると尽きません

そして何よりここまで奥深い世界は日本人ならではだし
到底敵わない実力にただただ立ち尽くすしかなかった

それでも自分も命あるものを描きたいと思わさずにはいられなくなる


夜は駒ヶ根市に移動しソースカツ丼

旅の食事って本当いくらでも食べれるから不思議だ
東京で食べられないからしっかり味わってきた

旧開智学校

一泊お世話になる土屋夫妻とやっとのことご対面
英都君とも初対面でどきどきだった











開店15分で売り切れることもあるという人気の鰻屋に行こうと思いましたが
残念ながら休業

ということで

つっちさんに調べて頂いた田楽のお店で鰻を堪能
ここで食べれたならもう今年は十分かな









次は楽しみしてた旧開智学校

明治6年開校で日本最古の小学校の一つ
東大の前身開成学校等を参考に
大工がわざわざ東京へ脚を運び、学んで作られたもの

松本町の7割の献金により建てられ
擬洋風建築な建物は重要文化指定にもなっています




移築復元された建物は昔の名残を感じさせる作りで
小さなイスや廊下、螺旋階段や小さな窓等
当時の人々にとっては
こんな画期的な校舎で勉強できる喜びが
今以上にあったんだろうなと思わされる
そのことは住民が資金を支援したことからも読み取れる

この学校での教育方針は
学力が低かったり、障害を持っていても誰でも平等に教育を受けさせたいという考えがあった


印象に残った写真の中で赤ん坊を背負いながら
机に向かう生徒たちの姿だった

子守奉公に出されて勉強ができず
授業を眺めていた彼女たちに
勉強が出来る機会と場所を設置したのでした

その中の一人の答辞の文章から
勉強できる喜びをもっと今の子達に感じる機会を与えられたらとも思いました



私個人的な意見としては
日本人は子供に勉強させ過ぎだ

毎日8時間なんて集中できるものでもないし
復習する時間もないまま次から次へと
興味のない新しいことを覚えるなんて無理がある

自分が何が好きか 
何が強みなのかを気づかせて、もっと勉強したいと感じさせてあげる機会を持たせてあげるべきだ

子供たちは自分のレベルも分からないし
親も子供も才能に簡単に気づけない

できないことばかりで余裕がない
差をつけさられるくらいなら
みんな同じことを勉強しなくていい

2014年9月13日土曜日

松本美術館

電車で約1時間長野市~松本市へ

駅の観光案内所を訪ね、松本美術館の割引券を入手
まだまだ日差しが暑かったけど25分くらい歩いて美術館へ

入口には名物の大きなオブジェ
ここでは松本出身の草間彌生さんの常設展示と
2種類の企画展を鑑賞

企画展では長野市民の描いた版画のコンテストをやっており
その技術レベルに驚きました
 




















































写真okだったので皆さんばっちり撮っていました

もうひとつの企画展は田口弘さんのアートコレクションの中から
小学生が展示作品を選んだものを展示するという企画

大小様々、国も様々、描き方もそれぞれなので
こんなものもあるのかというものばかり
巨大な写真やトランプ、土、世界中の国民、木彫りの等身大フィギュア etc.

















































もちろん草間彌生さんの展示も印象的だった
病気を持っていたことは知らなかったけど
テレビで喋る一言一言が力強く勇気をもらっていました

水玉じゃない初期の作品も
すごく深みのある作品で見ごたえあるものでした

善光寺 藤田久右衛門

ゲストハウスの方の教えで
朝の5時45分から善光寺本堂で行われるお朝事
「お数珠頂戴」に同宿泊者のみんなと参加
365日行われ、毎日1分ずつ始まる時間が遅くなる

善光寺は無宗派ですが、天台宗と浄土宗に護られているので
それぞれの宗派のお坊さんが約30分ずつ経を唱える

本堂前には参拝者の長い列で
時間が来ると跪き、順にお数珠で頭を撫でて頂いた

内陣の中でのお勤めを観覧させていただき
言葉とは違う経のコーラスのような響きが、すごく不思議な感じだった

なんとこの行いは千年も前から一日もかかしたことがないのだそう

そして善光寺の特徴としてお上人(おしょうにん)と呼ばれる女性の住職が多いのも見所


次に「お戒壇巡り」
前夜に同じ宿泊客の方にどれだけ怖いものか聞いていたのですごく興味津々だった
これは内々陣奥の床下に続く階段を降り
真っ暗な回廊を歩く途中で極楽のお錠前に触れると
真上におられる誰も見たことのないとされる秘仏と繋がり
往生の際にお迎えに来ていただけると約束されるもの

一切の光を失うということがこんなにも恐ろしいものかと
すごく身にしみた経験だった
子供だったら泣いてしまうんだろうな
前に進まなければゴールできないのに
前に踏み出す一歩がとても勇気のいることだと思った

また、鍵にたどり着くあたりで微かに光が差すようにも作られ
昔の人の感慨深さに本当に感動した
そして前日の戸隠神社奥社にも繋がることかもしれないけど
この回廊は産道を意識しているのだそう
自分の原点を見つめることができる場所が、長野には多いように感じられた



この後に6時半から開店している
藤田九右衛門」へ
ここでは鯉焼きを、店主が入れたお抹茶を味わいながら堪能できる

すごく小さい店ですが、築何年か分からないぐらい古い建物を
ほぼセルフリノベーションで作りあげた店内にはすごくこだわりを感じます

店内で頂くお抹茶もとても美味しく
一緒だったドイツ人の女の子がお茶の経験があったので
彼女が飲み方を教えてくれました笑

店主によると、お抹茶は世界で一番カフェインが含まれる飲み物だそう
コーヒーや紅茶は抽出させますが、お抹茶は粉末をそのまま
その為胃もたれ等が起きやすいので、始めに菓子をつまみます

そして店主のこだわりで
日本で一番高級なお抹茶(2万円台)から手頃なものをセレクト販売
京都のようにブランドに偏りがないので、このオリジナルのラインナップや
店内で気になるお抹茶を選んで飲めるのも
日本ではこの店ぐらいなのではないのでしょうか

さらなるこだわりとして
この鯉焼きは鯛焼きと違い
お土産に持って帰りたいという人の気持ちを考えて作られ
冷めても美味しくなるように作られています
そして両面ちゃんと絵柄が違い、豆は長野産の花豆を使っています

そしてさらに。。
ゲストハウスの方のおすすめでトイレへ行くと
そこには素敵な鯉の絵が美しく描かれていました
鯉が覗いている姿はまるで鯉が生きていると思わせるかのようで
朝から感動の体験なのでした

そしてこの後は本堂に戻り、丸なすの焼きおやきを食べ次の旅路へ





戸隠神社中社~奥社 小布施 




始発のバスに乗り戸隠神社中社へ

社殿には火事によって一度消失してしまいましたが、日立製作所によって復元された「龍の天井絵」があります

普段お目にかかれることはありませんが、結婚式等の行事で龍の姿を拝めるそう



入口には樹齢800年の大きな三本杉
(カメラに納まりきらない大きさ)









  とその根っこ
































神社奥社入口までの道のりを歩く

雨が降りだし、周りには誰もいなくて気持ちの良い静寂


相変わらず道に迷う
途中に奇妙な塔を発見

頭の良い息子が義理母を守る為に父親に嘘をつき、夫婦の仲を保ったことを称える塔

実父に嘘をつくという罪滅ぼしのため、庵をたて一生を終えたそう
天気が悪く朝も早い為か
下がってくる人はいるものの
自分の後ろには誰もいない中
樹齢400年の大木たちを拝むことができた


木の皮ひとつとってみただけでも大きく立派なもので
ここまでの長い道のりを埋め尽された大木は本当にすごかった


東京にいるのと比べたら別世界で
自分は到底敵わない存在だと思い知らされる



入口より約2kmの道のりを夢中で歩く

 



石段は上に昇るに連れ狭く、一段が高くなっていく
狛犬は向かって右側が口を開いた角無しの「阿像」で獅子、
左側が口を閉じた角有りの「吽像」

「唐獅子」の思想は遣唐使が中国より受け継いだものだが、この「阿吽」の表現は日本独自のものだそう





ここからは小布施の「岩松院」

葛飾北斎の天井絵「北方睨み鳳凰」見たさに訪れた

170歳ほどになる鳳凰は畳21畳分の大きさで見上げるのが大変だった

でも天井との距離が結構近く
じっくりと見ることができた



北斎は90歳で没年しましたが
鳳凰は彼が89歳での作品

後で知りましたが彼が敬慕してやまない富士山も隠し絵として描かれているのが平成2年に発見されたそう 


 

このあとは「北斎館」にて北斎の肉筆画を見に行った
肉筆画とは一種の浮世絵のジャンルであり、いわゆる絵画のことを指す

浮世絵とは本来絵師・彫師・摺り師のように分業されたものが一般化されていたが、
自ら筆を取り、描いたものを区別するために名付けられたのが肉筆画

肉筆画では、浮世絵では描けない筆の絶妙な描き方を見ることができ
ただただ驚くような作品ばかりだった


ちなみに長野駅から小布施までの電車を乗り間違え大きなタイムロスをし
30分ぐらいしか見れなかったのが残念

しかも17時になったら土産物屋から飲食店まで全ての店が一斉に閉まるので
この日は食べ損ねたお昼を10分で平らげる始末になってしまった。。


善光寺前のゲストハウスにて1泊

オーナーがとても素敵な方で、泊まる人全員に旅路を聞き、お勧めのお店や細かい情報を色々教えてくれた

普通の旅館やホテルでは到底経験できない交流と楽しみを味わえて満足した夜だった


そしてギターを演奏し始めた男性軍はとても奇妙な二人組だった。。